下痢
水分が過剰な便や固形ではない便が出て、かつ排便の回数が増加した状態です。 個人差はありますが、一般的に下痢の場合の排便回数は1日3回以上とされます。 下痢が続くと脱水や栄養障害を起こしたりします。採血検査や内視鏡検査などで原因を突き止め、適切な治療が必要となります。
便秘
便が腸内に長く留まり排泄がスムーズにいかない状態で、排便回数の減少、便が硬い、残便感、腹部膨満感(お腹の張り)、腹痛などの症状を伴います。生活習慣の乱れのほか、意外にも、大腸がんなどが原因となっていることがあります。採血検査や内視鏡検査などで原因を突き止め、適切な治療が必要となることがあります。
過敏性腸症候群
腹痛や腹部不快感を伴い、下痢や便秘などの症状が長期間に認めますが、様々な検査でも原因となる異常がない状態です。ストレスや生活習慣が大きく関与しており、QOL(生活の質)を著しく低下させることがあります。治療としては生活習慣の改善や、症状に応じた食事療法、薬物療法、心理療法などが挙げられ、症状のコントロールが可能です。
感染性腸炎
ウイルス、細菌、寄生虫などの病原体が腸に感染して炎症を起こす病気で、下痢、腹痛、嘔吐、発熱などが主な症状です。夏は細菌性、冬はウイルス性が増える傾向があります。治療は安静と水分補給が基本で、脱水に注意が必要です。重症化する際は医療機関受診が必要です。
潰瘍性大腸炎
大腸の粘膜に慢性的な炎症が起き、ただれ(びらん)や潰瘍ができる原因不明の指定難病で、血便・粘血便、下痢、腹痛が主な症状です。若年層に多いですが高齢発症も増えており、適切な治療により多くは社会生活を送れます。ただし、病気が長期化すると大腸がんのリスクもあるため、専門医師のもとで治療と検査の継続が重要です。
腸結核
結核菌が腸に感染して起こる病気で、腹痛、下痢、発熱、体重減少などの症状が出ることもありますが、無症状のこともあります。肺結核に続いて発症するのではなく、大腸に単独で発症する症例も増えています。特に免疫力が低下した高齢者や糖尿病患者などで注意が必要で、内視鏡検査や結核菌の培養検査で診断され、治療には抗結核薬の長期間の併用が必要です。
虚血性大腸炎
大腸への血流が一時的に不足する(虚血となる)ことで、大腸粘膜に炎症やただれが起きる病気であり、症状としては突然の腹痛と血便(鮮やかな赤色や赤黒い)が特徴です。高齢の女性や便秘の人に多く、動脈硬化や脱水、ストレスなども原因となり、多くは軽症で自然回復しますが、重症化すると手術が必要な場合もあります。
大腸がん
大腸の粘膜にできるがんで、日本では罹患数(診断される数)が非常に多くなっていることから40歳以上での検診が推奨されています。食生活の欧米化や高齢化が背景にあり、予防には高脂肪・高たんぱく食を控え、野菜を摂り、適度な運動や禁煙・節酒が大切とされています。内視鏡検査で診断され、早期がんであればで完治も期待できますが、進行がんとなると血便、便通異常(便秘・下痢)、腹痛、貧血などの症状が出現し、手術や抗がん剤治療などが選択されます。早期発見と適切な治療が重要です。
大腸ポリープ
大腸の粘膜がイボのように盛り上がったもので、がんとなる心配のない良性のものから、将来がん化するリスクのあるポリープ(腺腫)など様々で、多くは無症状です。便潜血検査が陽性となり行った内視鏡検査で偶然発見されることが多いです。腺腫はがん化する可能性があるため、見つかれば内視鏡で切除・検査されるのが一般的です。
腸閉塞
異物や炎症、腫瘍などにより腸管が塞がれた状態、あるいは開腹手術などで腸管が麻痺して腸の蠕動運動が障害された状態を指します。腸閉塞になると、消化物が腸内をスムーズに移動できなくなり、小腸や大腸に大量の消化物や便が充満して、腹痛や嘔吐などさまざまな症状が起こります。治療の基本は絶食と点滴での治療となりますが、重症化すると消化管の血流が悪くなるため消化管に穴が開くこと(穿孔)を起こすことがあるため手術が必要になることもあります。
大腸カルチノイド
大腸神経内分泌腫瘍(NEN)と呼ばれる疾患であり、ホルモンを生成する神経内分泌細胞から発生する腫瘍です。一般的に無症状で偶発的に発見されることが多いですが、大きさや悪性度によって治療法(内視鏡治療、手術、薬物療法など) や予後が異なります。
虫垂炎
大腸の盲腸から伸びる「虫垂」という部分に炎症が起こる病気で、一般に「盲腸」とも呼ばれています。腹痛(特に右下腹部への移動)、吐き気、発熱などが主な症状です。進行すると腹膜炎などを引き起こし命に関わることもあるため、早期の診断と治療(抗菌薬や手術)が重要です。
大腸憩室症
(憩室炎、憩室出血)
大腸の壁に5~10㎜の袋状のへこみ(憩室=けいしつ)ができた状態です。通常は無症状ですが、憩室部の血管が破れて出血する大腸憩室出血や、憩室内に細菌が感染して起こる大腸憩室炎といった急性疾患の合併につながることがあります。