大腸カメラは、正式には下部消化管内視鏡検査、あるいは、大腸内視鏡検査といいます。
大腸カメラは、大腸がんや大腸ポリープなどの病気を見つけることができる検査です。
大腸にできるがんやポリープが進行すると、便に血液が付着するようになるので、便潜血検査によって発見することができます。しかし、ポリープが小さい初期段階ではなかなか発見できません。そのため、大腸カメラ検査を行い、大腸内の粘膜の状態を直接観察することが大切となります。
大腸がんは50歳を過ぎるころから罹患率が増加していきます。しかし、最近は比較的に若い年齢で発症する患者さまも少なくありません。初期の段階で発見し、早期治療につなげるためにも、40歳になったらまずは、大腸カメラ検査を受けておくことを強くお勧めいたします。
大腸カメラでは、先に小さなカメラが付いている内視鏡を肛門から挿入し、直腸や結腸などの粘膜を観察します。自覚症状が少ない段階のポリープやがん、炎症などをみつけることができます。また、必要に応じて日帰りでポリープを摘出すること(内視鏡的ポリープ切除術)もできますし、病気を詳しく調べるために粘膜の一部を採取(組織生検)することもできます。
大腸カメラ検査を
受けた方がいい方
- 40歳以上
- ご家族に大腸がんの方がいる
- 血便がでる
- トイレットペーパーに血液がつく
- おなかがいたい
- 下痢がつづく
- 急に便秘になった
- 心当たりがないのに体重が減った
- 残便感がある(トイレにいって、もどってきてすぐに、また、排便にいきたくなる)
苦痛を軽減する検査を
心がけています
大腸カメラは、大腸自体が約1メートルある臓器なので、カメラの検査時間も30分程度かかります。30分もカメラがおなかのなかに入っていることが不安、痛くないか心配と感じる方も、たくさんいらっしゃると思います。
ご希望のかたは鎮静剤(眠くなる薬)をつかうこともできるので、お申し出ください。
また当院では、大学病院で長い間、研究員として研鑽を積んだ2名の大腸カメラ実績豊富な、日本消化器内視鏡学会認定 消化器内科専門医が大腸カメラを担当します。今までの経験を活かし個々の患者さまの大腸の状況を把握し、苦痛を減らしていくことは十分に可能です。みなさまがなるべく苦痛や心配を感じないように、丁寧で安全な検査を心がけてまいります。大腸カメラがいろいろとハードルが高いことはよくわかります。しかし、まずはカメラ検査を受けることが第一歩です。緊張しやすい方、心配性な方もどうか安心してご受診ください。
鎮静剤使用の検査について
さきほどもおはなししましたが、希望があれば、鎮静剤(眠くなる薬)を使った大腸カメラ検査が行えます。ある程度、眠った状態での検査となるので、痛みなどが心配な方はお申し出ください。
なお、鎮静剤を使用した内視鏡検査を行う方には、幾つかの注意事項があります。まず、鎮静剤を投与後は、しばらく院内の所定のソファーで休息し、その後にご帰宅いただきます。鎮静剤の影響によって注意力が低下している可能性があるため、当日にご帰宅される際には、車やバイクの運転だけではなく、自転車も禁止させていただいております。公共交通機関を利用するか、ご家族などによる送迎が必要になります。
大腸カメラ検査の流れ
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検査前日の注意点
- 検査日の3日前より消化に悪いとされる食物(種をふくむくだもの、きのこ、海藻類、ごま、豆、根菜類など)は控えるようにしてください。検査前日の食事は消化の良い物とし、午後8時までに済ませてください。
- 水分(水、お茶)の摂取に制限はありません。ノンカフェイン飲料(麦茶やルイボスティーなど)のほうが体に吸収されやすいのでおすすめです。アルコールは禁止です。
- 寝る前(あるいは午後9時頃)に指定された前処置薬を内服していただきます。
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検査当日の注意点(来院前)
- 検査当日は検査終了まで絶食になります。
- いつも飲んでいる薬の服用の可否については、ご予約時に説明いたします。
- 検査時に鎮静剤を使用される方は、ご自身の運転(車・バイク・自転車 など)によるご来院は禁止です。
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検査の準備・下剤の服用
- 寝る前(あるいは午後9時頃)に指定された前処置薬を内服していただきます。
- 検査開始の5時間前から経口腸管洗浄液を、検査当日にご自宅で内服していただきます。排便を繰り返し、便の色が透明になれば、検査の準備が整ったことになります。
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必要に応じて鎮静剤を投与
- ご希望の方には検査前に鎮静剤を静脈注射します。
- 眠くなる薬を使用します。完全に意識がなくなるわけではなく、場合によっては医療スタッフからの呼びかけに答えることもできます。
- 鎮静剤を投与する場合は、呼吸が浅くなるという偶発症などに対応するためモニターで呼吸状態や血圧なども確認しながら行います。
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内視鏡を挿入(検査の開始)
- 身体の左側を下にしてベッドに横になります。
- 肛門から内視鏡を挿入していきます。
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大腸内部を観察
- 内視鏡カメラの映像はモニターに映し出されます。
- この映像を見ながら大腸の内部を隅々まで観察します。
- 必要がある場合は、ポリープの治療や生検を行います。
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検査の終了
- 通常は約30分で検査は終了します。
- 症例によって時間が延びることがあります。
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検査後
- 通常、飲食は1時間後から可能です。
- 検査当日はお風呂は控えて、シャワーにしてください。
- 鎮静後ご自身での運転は禁止です(車・バイク・自転車など)。
- 激しい運動はしないでください。
- 検査終了後、気になる症状がある方は、すぐに医師までご相談ください。